2025年11月、韓国の人気ガールズグループ・aespaの紅白歌合戦初出場が発表されたことで、SNS上で大きな波紋が広がっています。「aespaの紅白出場停止を求める」オンライン署名が7万筆を超え、日本国内だけでなく韓国メディアまで注目する事態となっています。
この記事では、aespa紅白騒動の全貌について、最新情報をもとに詳しく解説していきます。
aespa紅白出場停止の署名運動とは？
事実確認：出場停止は正式決定なのか？
結論から言えば、aespaの紅白出場停止は正式決定ではありません。
2025年11月14日、NHKは第76回紅白歌合戦の出場歌手37組を正式に発表し、aespaはその中で初出場アーティストとして名を連ねました。11月19日時点で、NHK側から出場取りやめの公式発表は一切出ておらず、NHKの山名啓雄メディア総局長は「先日公表させていただいたみなさんに、出演していただけるんだろうと思っている」と見解を述べています。
オンライン署名の規模と内容
現在、Change.orgというオンライン署名プラットフォームで「aespaの紅白出場停止を求めます」という署名活動が行われています。
署名の現状（2025年11月19日時点）：
- 署名数：約7万筆超
- 開始日：2025年11月17日
- プラットフォーム：Change.org
署名に寄せられている声には以下のようなものがあります：
- 「私はaespaが好きだ。しかし原爆ライトだなんてふざけている」
- 「反省しない人たちを年に一度の皆が楽しむ祭典に出場させるのは絶対に許せない」
- 「先の戦争で亡くなった方への配慮ない発言を面白がってしている韓国アイドル出すのは明らかにおかしい」
ファンの中にも複雑な思いを抱えている人が多く、署名活動は日を追うごとに拡大しています。
何が問題となっているのか？「きのこ雲ライト」騒動の経緯
2022年の投稿が再燃
今回の騒動の発端は、aespaの中国人メンバー・ニンニンが2022年5月にファン向けコミュニケーションプラットフォーム「Bubble」に投稿した写真です。
ニンニンは「きのこ雲」のような形をした卓上ランプの写真を投稿し、「可愛いライト買ったよ〜〜、どう？」というコメントを添えました。このランプのデザインが原子爆弾によって生じる「きのこ雲」を連想させるとして、当時も一部で批判が起こりました。
なぜ今、再び問題になったのか
2022年の投稿が今になって再燃した理由は、aespaの紅白初出場決定という大きなタイミングと重なったためです。
再燃の背景：
- 紅白という舞台の公共性
- NHK紅白歌合戦は日本の国民的番組
- 公共放送としての責任が問われる場
- 2025年は戦後80年という節目
- 司会に広島出身の有吉弘行と綾瀬はるかが起用
- 長崎出身の福山雅治とMISIAの連続トリ起用が予想される
- 番組全体が平和の象徴性を持つ年
- SNSでの拡散
- Xでは「#aespaの紅白出場取消を求めます」などのハッシュタグが広まる
- 11月15日にネット記事がこの問題を扱い、関連語が再燃
- 11月17日には署名活動が開始され、数時間で急速に拡散
原爆投下の歴史的背景
広島では約14万人、長崎では約7万人の命が原爆によって奪われました。唯一の被爆国である日本において、「きのこ雲」は戦争の悲劇を象徴するイメージであり、多くの日本人にとって特別な意味を持っています。
このような歴史的背景から、ニンニンの投稿が「無神経」「配慮に欠ける」と受け取られ、批判の声が高まっているのです。
NHKと事務所の対応
NHKの公式見解
NHKは複数のメディアの取材に対し、以下のように回答しています：
「ご指摘の事案は承知していますが、所属事務所には、当該メンバーに原爆被害を軽視、揶揄する意図がなかったことなどを確認しています」
また、出演決定の理由については：
「今年の活躍、世論の支持、番組にふさわしいかどうかなどを総合的に判断しました」
NHKは現時点で出演を取りやめる姿勢は見せておらず、予定通り出場させる方針を維持しています。
所属事務所の対応
aespaの所属事務所の日本法人「SM ENTERTAINMENT JAPAN」に対し、複数のメディアが見解を求めましたが、期限までに回答が得られていないとの報道があります。
事務所側の「沈黙対応」が、かえって不信感を募らせているという指摘もあります。
賛否両論：様々な視点
出場に反対する意見
歴史的配慮を求める声：
- 戦後80年の節目に、原爆を連想させる投稿をしたメンバーが出演することへの違和感
- 公共放送として、被爆者や遺族への配慮が必要
- 広島・長崎出身の司会者やトリがいる中での出演は不適切
ファンからの複雑な声：
- 「aespaは好きだけど、今年の紅白は出るべきではない」
- 音楽は素晴らしいが、過去の行動への説明や謝罪がないまま出演することへの疑問
出場を支持・中立的な意見
表現の自由と芸術性を重視する声：
- ニンニンに悪意があったとは証明できない
- 文化や認識の違いを考慮すべき
- 音楽番組の出演可否をネット世論で左右すべきではない
冷静な対応を求める声：
- 署名活動が過度なバッシングにつながる懸念
- 番組側の判断を尊重すべき
- ファンの応援する権利も尊重されるべき
女子SPA！の記事では、「悪意か無知か」という問いかけがなされ、簡単に断罪すべきではないという意見も紹介されています。唯一の被爆国である日本と、それ以外の国では「きのこ雲」のデザインに対する受け止め方が大きく異なる可能性も指摘されています。
aespaとは？グループの基本情報
メンバー構成
aespaは韓国の大手芸能事務所「SMエンタテインメント」から2020年にデビューした4人組ガールズグループです。
メンバー：
- カリナ（25歳・韓国人）
- ウィンター（24歳・韓国人）
- ジゼル（25歳・日本人）
- ニンニン（23歳・中国人）
多国籍グループとして、現実と仮想世界（メタバース）をテーマにした独自の世界観で世界的な人気を誇ります。
日本での活動実績
2024年：
- 7月：日本1stシングル『Hot Mess』でデビュー
- アリーナツアー「2024 aespa LIVE TOUR – SYNK : PARALLEL LINE – in JAPAN」で計10万人を動員（4都市9公演）
2025年：
- 10月〜：アリーナツアー「2025 aespa LIVE TOUR – SYNK : aeXIS LINE – in JAPAN」開催中（4都市10公演）
- 2026年4月：京セラドーム大阪と東京ドームでグループ初のドームツアー決定
日本での人気は非常に高く、『Supernova』『Whiplash』『Drama』の3曲はストリーミング累計再生回数1億回を突破しています。
過去の類似ケース：BTSのTシャツ騒動
今回の騒動は、aespaが初めてではありません。
2018年、韓国の人気グループBTS（防弾少年団）のメンバーが、きのこ雲の写真がプリントされたTシャツを着用していたことが発覚し、大きな批判を受けました。この騒動により、当時予定されていたテレビ出演が見送られるなどの影響がありました。
韓国アイドルをめぐる「原爆連想」の炎上は、日韓の歴史認識の違いや文化的背景が複雑に絡み合う、非常にデリケートな問題であることがわかります。
韓国メディアの反応
日本での騒動は、徐々に韓国メディアも取り上げるようになっています。
韓国メディアの見出し例：
- 「aespaの紅白歌合戦、出場反対…日本で4日間4万人が請願」
- 「aespa・ニンニン、中・日葛藤のなか過去写真騒動が再燃…ボイコット運動にまで発展し”深刻な状況”」
韓国側でも、この問題が深刻に受け止められていることがうかがえます。
今後の展望：出場はどうなる？
現時点での見通し
2025年11月20日現在、以下の事実が確認できます：
確定事項：
- aespaは第76回紅白歌合戦の出場歌手として正式発表されている
- NHKからの出場取りやめの発表は一切ない
- 放送予定：2025年12月31日19時20分〜23時45分
未確定事項：
- 署名活動の規模拡大による影響
- NHKや事務所が今後判断を変更する可能性
- 歌唱曲や出演順などの詳細
出場取りやめの可能性は？
一部メディアでは「署名活動の規模が想像以上に大きくなっているだけに、NHKが世論を気にしてaespaの出場を電撃的に取り消す可能性もゼロではない」と報じられています。
しかし、以下の理由から、出場が予定通り行われる可能性の方が高いと考えられます：
- NHKが公式に「出演していただけるんだろう」と表明
- すでに正式発表済みで、取りやめは異例の対応
- 所属事務所に「悪意なし」を確認済み
- 日本での活動を本格化させているグループである点
ただし、年末までの約1ヶ月間で状況が変わる可能性も完全には否定できません。
第76回NHK紅白歌合戦の概要
基本情報
- 放送日時：2025年12月31日19時20分〜23時45分
- テーマ：「つなぐ、つながる、大みそか。」
- 出場者数：37組（紅組20組・白組17組）
- 司会：有吉弘行、綾瀬はるか、今田美桜、鈴木奈穂子アナウンサー
- 放送局：NHK総合・ラジオ第1・BSP4K・BS8K
初出場アーティスト
紅組（8組）： アイナ・ジ・エンド、幾田りら、aespa、CANDY TUNE、ちゃんみな、HANA、ハンバート ハンバート、FRUITS ZIPPER
白組（2組）： &TEAM、M!LK
戦後80年の象徴性
2025年の紅白は、戦後80年という大きな節目の年に開催されます。司会に広島出身の有吉弘行と綾瀬はるか、トリには長崎出身の福山雅治とMISIAが予想されるなど、平和への祈りが込められた構成になっています。
この象徴的な年に、原爆を連想させる投稿をしたメンバーのいるグループが出演することへの違和感が、批判の声をより大きくしている側面もあります。
文化の違いと相互理解の重要性
認識のギャップ
日本人にとって「きのこ雲」は原爆の悲劇を象徴するイメージですが、他国では必ずしもそのような認識が共有されているわけではありません。
ニンニンが中国出身であること、投稿当時は23歳の若さだったことなども考慮する必要があるかもしれません。デザインとして「きのこ雲型」のランプを見た際に、それが日本の原爆被害を連想させるものだという認識がなかった可能性も指摘されています。
国際化時代のアーティストに求められること
一方で、国際的に活動するアーティストには、活動する国々の歴史や文化に対する最低限の理解と配慮が求められるという意見もあります。
特に、日本で本格的に活動し、紅白という国民的番組に出演するのであれば、なおさらその責任は重いと言えるでしょう。
まとめ：冷静な情報確認が重要
重要なポイントの整理
- aespaの紅白出場停止は正式決定ではない
- オンライン署名が7万筆を超えているが、NHKは現時点で出場予定を維持
- 問題の発端は2022年のニンニンの投稿
- 「きのこ雲型ライト」を「可愛い」と紹介したことが批判を浴びる
- 紅白初出場決定を機に騒動が再燃
- 2025年は戦後80年の節目
- 司会やトリに広島・長崎出身者が起用される予定
- 歴史的な意味合いが強い年の紅白であることが、議論を複雑にしている
- 賛否両論がある複雑な問題
- 歴史的配慮を求める声と、表現の自由を重視する声が対立
- 簡単に結論を出せる問題ではない
今後の情報確認方法
年末に向けて、状況は変化する可能性があります。以下の情報源を確認することをおすすめします：
- NHK公式サイトの紅白特設ページ
- NHK公式Xアカウント
- aespa公式アカウント
- 信頼できるニュースメディアの報道
SNS上の断片的な情報や未確認情報に振り回されず、公式の発表や一次情報を確認することが大切です。
最後に
この問題は、単なる一つのグループの出演可否を超えて、歴史認識、文化の違い、メディアの責任、表現の自由など、さまざまな論点が絡み合う複雑な問題です。
一方的な断罪や感情的な批判ではなく、それぞれの立場や背景を理解しながら、冷静に議論していくことが求められています。
紅白歌合戦という日本の伝統的な番組が、どのような判断を下し、どのような形で大晦日を迎えるのか。今後の展開に注目が集まります。
※この記事は2025年11月20日時点の情報に基づいています。最新情報は公式サイトやニュースメディアでご確認ください。
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